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診療案内

糖尿病

糖尿病とは?

糖尿病とは?
内分泌代謝科専門医は、「ホルモンの乱れに起因する病気」を拝見します。

 ホルモンは、「体内で作られ、血液中に流れて、細胞や器官の活動を調節する、ごく微量な生理化学物質」と定義されています。ホルモンの作用の異常は、分泌過剰か、分泌が足りない状態(分泌不全)、あるいは分泌は保たれているが効かない状態(作用不全)に分けられます。

 どうしてこの説明をするかというと、糖尿病も「ホルモン異常」の疾患に含まれるからです。分泌過剰であれば低血糖を引き起こし(Ex.インスリノーマ)、分泌不全の代表格が1型糖尿病になります。
2型糖尿病の初期の病態の主役「インスリン抵抗性」という言葉を耳にした方も多いと思いますが、抵抗性とは「ホルモンが十分あるにも関わらず何らかの理由でそれが効かない状態」を指し、前述の作用不全に分類されます。

●1型糖尿病

1型糖尿病は、インスリンを出す膵臓のβ細胞が、自己免疫(自分の細胞を攻撃してしまう)などの原因で壊されてしまう病気です。β細胞からインスリンがほとんど出なくなることが多く、1型糖尿病と診断されたら、治療にインスリン製剤を使います。注射は1日4回がメイン、場合によっては1日5回になることもあります。

世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。若い方を中心に幅広い年齢で発症し(子供の糖尿病といった印象があるため小児糖尿病とも呼ばれることもあります)、生活習慣が関わる2型糖尿病とは、原因、治療が大きく異なります。

発症パターンから、次のように分類されています。

【急性発症1型糖尿病】
1型糖尿病で最も頻度の高い典型的なタイプで、糖尿病の症状が出はじめてから数ヶ月でインスリン依存状態になります。発症した後に、一時的に残っている自分のインスリンの効果が改善する時期(ハネムーン期)がある患者さんもいて、その時期は「治った!」と勘違いされてしまう場合もありますが、その後は再びインスリン治療が必要となります(この時期のカウンセリングはとても重要なので、時間をかけてご説明しています)。血液検査で抗GAD抗体・IA-2抗体などの自己抗体を認めることが多いです。

【劇症1型糖尿病】
最も急激に発症し、1週間前後でインスリン依存状態に至るタイプです。すぐにインスリンを補充する治療がなされなければ「糖尿病ケトアシドーシス(DKA、糖尿病の代表的な急性合併症)」となり重篤な危機状態になることもあるため、早い段階での診断が重要です。
前述の自己抗体は血液検査で認めないことが多いです。発見される時点での血糖値は高いですが、発症が急激であるので、月単位で徐々に上昇する血糖値の指標であるHbA1cは低めであることも特徴です。

【緩徐進行型1型糖尿病】
SPIDDM(Slowly Progressive InsulinDependent(type 1)Diabetes Mellitu)と呼ばれるもので、半年~数年かけてゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプです。初めは2型糖尿病のようにインスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることが可能ですが、経過中の血液検査でGAD抗体などの自己抗体が検出され、実は緩徐進行1型糖尿病だったと分かることもあります。この場合、膵臓に負担をかけるような内服薬は推奨されず、インスリン治療などで膵臓を保護する治療を開始することが望ましいといわれています。
SPIDDM
資料:SPIDDM
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●2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することによって血糖値が高くなります。2型糖尿病となる原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があるといわれています。
2型糖尿病
すべての2型糖尿病患者の方に生活習慣の問題があるわけではありませんが、血糖値を望ましい範囲にコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しがとても重要です。飲み薬や注射なども必要に応じて利用します。

【食事療法】
食事療法は糖尿病治療の基本です。栄養のバランスを考えて、適量をとるようにします。

■ポイント

●腹七分目にしましょう。
●脂肪は控えめにしましょう。
●食物繊維を豊富に摂りましょう。
●朝食、昼食、夕食に分けて規則正しく食べましょう。
●ゆっくりよく噛んで食べましょう。
●栄養はバランス良く摂りましょう。

【運動療法】
運動療法は、食事療法とともに糖尿病治療の基本です。筋肉を動かすことによってブドウ糖や脂肪が燃えやすくなります。人によっては運動が病状を悪化させるため、医師の指示に従い自分にあったものを行います。

■効果

●ブドウ糖や脂肪酸が使われて、血糖値が下がります。(急性効果)
●インスリンの効きがよくなります。(慢性効果)
●肥満の解消に役立ちます。
●加齢や運動不足による筋肉の衰えを防ぎ、骨粗鬆症の予防に有効です。
●高血圧や脂質異常症の改善に有効です。
●心肺機能を良くします。
●運動能力が向上します。
●爽快感、活動気分など日常生活の質を高めます。
歩数と健康指標
【薬物療法】
薬物療法は、食事療法と運動療法だけでは十分に血糖をコントロールできない場合に行います。薬物療法には、経口血糖降下薬とGLP-1受容体作動薬やインスリン製剤などの注射薬があります。最近では週1回製剤など、患者さんのライフスタイルに合わせたオーダーメイド治療が可能になってきています。
経口血糖降下薬の選択
なぜ血糖値が高いといけないの?1
なぜ血糖値が高いといけないの?2
厳格に血糖をコントロールすれば、合併症なく糖尿病ではない人と同じような生活が出来ます。しかし、放置すると腎不全から透析になったり、視力低下や失明したり、下肢の切断に至る場合もあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など致死的血管合併症を引き起こすのみならず、最近では癌や認知症とも関連している事が報告されています。
糖尿病性神経障害~有名人も悩んでいた~
血糖コントロールの目標は?
HbA1cの目標値は、体温に例えてみます。30を加えて、6度台は平熱、7度は微熱が続いている状態、8度台になるとかなり高熱と覚えてください。
あなたとあなたの大切な人のために、糖尿病治療を頑張りましょう!